学会報告
第25回中国四国リハビリテーション医学研究会―2007年11月25日(日),於:広島大学病院
畑野 榮治
1
1はたのリハビリ整形外科
pp.1121-1130
発行日 2008年11月10日
Published Date 2008/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101388
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1.視床・被殻出血患者における急性期歩行獲得因子の検討
大樹会総合病院回生病院リハビリテーション科
福田 航・大西 由夏・他
脳卒中の歩行能力の予後予測を検討した報告は多数存在し,そのほとんどがリハビリテーション開始2週時程度の身体所見から退院時点での歩行能力を予測することが多く,その判定時期は発症後3~6か月に集中している.当院では2006年度よりDPCを導入し,より急性期の予後予測を必要とすることから,われわれは視床・被殻出血における発症後1か月程度の歩行獲得に影響する要因について検討した.〔結果〕歩行獲得に影響する要因として,リハビリテーション開始所見では血腫量10ml未満,意識レベルが清明であること,リハビリテーション開始1週時所見では下肢Br stage Ⅴ以上,15秒以上の両手非支持の座位保持が可能であること,感覚障害,USN,失語症がないことが重要であると示唆された.さらにロジスティック回帰分析では,下肢Br stageが最も関連していると判明し,発症後1か月における歩行獲得には,リハビリテーション開始1週時において下肢Br stageがⅤレベル以上必要であると示唆された.
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