Japanese
English
特集 脊髄損傷リハビリテーション―現状・課題・展望
疫学調査
Survey for spinal cord injuries in Fukuoka.
坂井 宏旭
1
,
植田 尊善
1
,
前田 健
1
,
芝 啓一郎
1
Hiroaki Sakai
1
,
Takayoshi Ueta
1
,
Takeshi Maeda
1
,
Keiichiro Shiba
1
1総合せき損センター
1Department of Orthopaedic Surgery, Spinal Injury Center
キーワード:
脊髄損傷
,
疫学調査
Keyword:
脊髄損傷
,
疫学調査
pp.969-972
発行日 2008年10月10日
Published Date 2008/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101357
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現状
脊髄損傷(以下,脊損)は,中枢神経である脊髄を損傷することで四肢,体幹,膀胱の完全または不全麻痺を引き起こす病態である.本邦において,新規脊損患者数は毎年約5,000例,慢性期を含めると総患者数は10~20万例以上と推測されている.これらのことは,社会的,経済的に莫大な損失であることは自明である.総合せき損センター(以下,当センター)では開院から29年間,脊損の治療に関して,その臨床成績を報告してきたが,現時点において脊髄自体に対する有効な治療法は確立されていない.麻痺が完成すると,その後の回復は認められず,患者は一生涯,麻痺とともに生きていくこととなる.このように脊損は最も重症度の高い外傷の一つであり,より多くのデータを集約し,エビデンスに基づいた治療(evidence based medicine;EBM)を行うことが患者にとって重要なことである.
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