Japanese
English
症例報告
高次脳機能障害が疑われ来院したpost stroke depressionの1例
A case of post stroke depression with the higher brain dysfunction-like symptoms due to cerebral infarction.
橋本 学
1,2
,
岡崎 哲也
1
,
加藤 徳明
3
,
蜂須賀 研二
1
Manabu Hashimoto
1,2
,
Tetsuya Okazaki
1
,
Noriaki Kato
3
,
Kenji Hachisuka
1
1産業医科大学リハビリテーション医学講座
2独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター
3門司労災病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, University of Occupational and Environmental Health
2National Hospital Organization Hizen Psychiatric Center
3Department of Rehabilitation Medicine, Moji Rosai Hospital
キーワード:
脳梗塞
,
高次脳機能障害
,
post stroke depression
,
SNRI
,
神経心理学的検査
Keyword:
脳梗塞
,
高次脳機能障害
,
post stroke depression
,
SNRI
,
神経心理学的検査
pp.885-888
発行日 2008年9月10日
Published Date 2008/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101336
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はじめに
1980年代以降のRobinson1)の精力的な研究をはじめ,post stroke depression(PSD)は脳卒中後のリハビリテーションに大きな影響を及ぼす病態として知られてきた.その一方で,日常的な脳卒中診療においてPSDが見落とされたり,他の病態と誤解されることもある.今回,脳梗塞発症の約2か月後から,注意障害,記憶障害,遂行機能障害を思わせる症状が持続,遷延しており,家族がマス・メディアでみた高次脳機能障害の存在を疑って当科を受診させた症例を経験した.この症例は,PSDと診断して適切な抗うつ治療を行い十分なレベルにまで改善した.脳卒中後のリハビリテーションを考えるうえでも示唆的な症例と思われるので報告する.
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