巻頭言
リハビリテーション医学における大学の役割
池田 聡
1
1鹿児島大学大学院運動機能修復学講座機能再建医学
pp.1407
発行日 2007年12月10日
Published Date 2007/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101129
- 有料閲覧
- 文献概要
少子高齢化時代の到来に伴いリハビリテーション医療の需要は増大しているにもかかわらず,取り巻く環境は年々厳しくなってきている.このようななかで,われわれリハビリテーション医療従事者が果たすべき課題は山積している.とくに,臨床・教育・研究を担う大学のリハビリテーション医学講座の役割は重要である.
リハビリテーション医療において最も重要なことは実際の臨床であることは言うまでもないが,リハビリテーション科専門医の不足は以前から問題となっており,セラピストなどの関連職種も質的,量的に十分とは言えず,マンパワーの充実と臨床力の向上が最優先課題である.このため,リハビリテーション医療従事者の卒前卒後教育の充実が重要であり,リハビリテーション医療の充実を図り,社会の需要に応えていくことでリハビリテーション医療の重要性を訴えていくことが必要である.とくにリハビリテーション医を養成していくためには大学が重要な位置を占めている.しかしながら,現在,わが国では医学教育においてリハビリテーション医学の占める比率が低く,教育担当講座も少ないため医学生への教育がいき届かない.また,初期研修でもリハビリテーション医学が組み込まれていないためリハビリテーション医志望者が少ないことも考えられ,改善が期待される.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.