Japanese
English
特集 整形外科における術後リハビリテーションの日米(欧)比較
人工関節手術―膝関節
Rehabilitation after total knee arthroplasty in Japan and USA.
高井 信朗
1
Shinro Takai
1
1帝京大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Teikyo University School of Medicine
キーワード:
人工膝関節置換術
Keyword:
人工膝関節置換術
pp.916-918
発行日 2003年10月10日
Published Date 2003/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100900
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
1970年代に人工膝関節の基本的なデザインが完成して以来,現在広く普及している人工膝関節置換術(以下,TKA)の成績は概ね良好で,とりわけ除痛については優れた臨床成績が報告されている.しかし,それはあくまでも適応年齢を限定し,寿命と人工関節の耐久期間とを相当させた結果であり,高齢者だけにTKAを行えば再置換もなく,必ずよい成績を得ることができる.一方,適応年齢を拡大し,年齢を下げれば,必ず成績も下がるという予測に異論はないだろう.高齢化社会の到来を間近にし,健康寿命を延ばすという命題に対し,除痛効果に優れたTKAの占める社会的期待も広がっている.そして,本邦では高齢者の社会参加を促すには,単に疼痛をとるばかりでなく,広い可動域,手すりを必要としない階段昇降能,助けを必要としない床からの立ち上がり,職場への通勤,スポーツへの参加などをも可能にする人工膝関節のリハビリテーションプログラムの開発が期待されている.
本稿では,これらの目的を少しでも達成するために,米国の変形性膝関節症の外科的治療の実態と比較し,人工関節のデザインの発展とリハビリテーションについて概説を試みたい.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.