一頁講座 最近の車いす
パワーアシスト機構がついた介助用車いす「タウニィパス」
秋田 裕
1
,
田中 理
1
1横浜市総合リハビリテーションセンター
キーワード:
パワーアシスト
,
電動ハイブリッド
,
介助用車いす
Keyword:
パワーアシスト
,
電動ハイブリッド
,
介助用車いす
pp.185
発行日 2003年2月10日
Published Date 2003/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100753
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- 文献概要
PAS(Power Assist System)はヤマハ発動機が1993年に開発した技術で,電動ハイブリッド自転車に搭載され,現在では広く一般に普及している.ペダルを回転させる力をセンサーが検出し,その力の大きさと車速に応じてマイクロコンピュータで制御された電力が,バッテリーからモーターへ供給されることによって,モーターの駆動力が発生する仕組みである.上り坂,向かい風,荷物積載時に運転者にかかる負担を大きく軽減させることができるこの機構を車いすに応用したのが,今回紹介するタウニィパスである.ヤマハJW-Ⅱは自走用のパワーアシスト機構であるが,タウニィパスは介助用車いすとして開発されている.
特 徴
高齢者が高齢者の車いすを押す場面が増加している現状を踏まえて,介助者の体力的負担を軽減する目的で開発されている.上り坂・片流れ斜面・不整地などでは,介助者が車いすを押す力をセンサーが感知して,押す力の大きさに応じた補助力がモーターから供給される(カタログには,体重75kgの方が乗っている場合,両手で6kgの力で押すだけで14度の坂が楽に登れる,と記載してある).また,下り坂ではコンピュータ制御されたモーター発電ブレーキが作動し,急坂でも自動的にスピードが抑えられる機構となっている.
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