Japanese
English
特集 車椅子をめぐる諸問題
車いすの発展と今後の課題
Development and Future of the Wheelchair.
伊藤 利之
1
,
田中 理
2
Toshiyuki Ito
1
,
Osamu Tanaka
2
1横浜市総合リハビリテーションセンター障害者更生相談所
2横浜市総合リハビリテーションセンター企画開発研究室
1Yokohama Rehabilitation Center
2Yokohama Rehabilitation Center
キーワード:
軽量化
,
モジュール化
,
電動化
Keyword:
軽量化
,
モジュール化
,
電動化
pp.97-103
発行日 1993年2月10日
Published Date 1993/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107286
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はじめに
最近の車いすの発展には目覚ましいものがある.第1に,アルミ合金製フレームの実用化を転機にその軽量化が一段と進み,われわれの実績では新規作製車いすの80%以上がアルミ製で処方されている.このため細工が余程に複雑だったり,特に強度に留意しなければならないほどの重量がある場台を除き,スチール製を処方することはなくなってしまった.第2に,機能的にも分化し,介助用簡易型車いす,介助用電動車いす,スポーツ専用車いすなどが開発・普及しており,用途別にも多様化が著しい.第3に,車いすのモジュール化が進められ,オーダーメイドによる車いすの製作過程を大幅に簡略化する方向が追及されている.
一方,今後の課題としても問題は山積しており,さらなる軽量化とコンパクト化をはじめ,座位保持装置と車いすの統合,手動車いすと電動車いすの相互補完,子ども用電動車いすの開発,障害種別および用途別車いすの開発など,枚挙にいとまがない.
そこで本小論では,わが国におけるこれら車いすの発展の動向について,主にハード面からその概略を紹介するとともに,今後の課題についていくつか問題提起したい.
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