Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「ナショナル7」―障害者を相手にする娼婦への優しいまなざし
二通 諭
1
1千歳市立北進中学校
pp.87
発行日 2003年1月10日
Published Date 2003/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100740
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障害者の性を扱ったからといって,それが目新しいという時代ではなくなった.80年代末から現在に至るまで多くの映画,テレビドラマ,書物でこのことが語られてきた.
映画でいえば男性障害者のセックスができない無念さを描いた「7月4日に生まれて」,「ウォーターダンス」,心だけでなく肉体も愛してもらいたいと高らかに謳いあげた「マイ・レフトフット」,女性障害者のロストヴァージン願望を描いた「ヴァージン・フライト」などがよく知られたところだ.
「ナショナル7」(監督/ジャン=ピエール・シナピ)の主人公ルネは車イス生活者で国道7号線そばの身体障害者施設で暮らしている.彼が直面している問題は,セックス日照り状態であるということ.そのため周囲に当たり散らしトラブルメーカーになっている.彼の要求はただ一つ,「売春婦とセックスをさせろ」ということだ.
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