特集 性病予防
綜説
娼婦を中心とした性病の疫学と今後の対策
園田 真人
1
1八幡市保健所
pp.190-197
発行日 1958年4月15日
Published Date 1958/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201951
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緒言
性病の蔓延は,売春と性的無規律によつて生れるものであり,これを無視して性病対策は考えられない。しかも性病は,特異な伝染型式をもち,すべての人類に免疫性がなく,接触に選択性があるなどの疫学的特性をもつている。売春の社会病理学については,古くから幾多研究され,男女数の不平等,社会機構,経済の不均衡などがその原因とされているが,これら社会的要因の改善こそ性病撲滅の根本問題であろう。
わが国においても,売春防止法が施行されるようになり,われわれは集娼を中心とした従来の性病対策方法を反省し,予想されうる今後の変化を検討せねばならぬ時期に直面している。
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