Japanese
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特集 骨折―最近の話題
高齢者の大腿骨頸部骨折と深部静脈血栓症
Deep venous thrombosis in elderly patients with femoral neck fractures.
高木 理彰
1,2
,
小林 真司
2
,
佐々木 幹
2
,
仲野 春樹
2
,
佐々木 明子
2
,
清重 佳郎
3
Michiaki Takagi
1,2
,
Shinji Kobayashi
2
,
Kan Sasaki
2
,
Haruki Nakano
2
,
Akiko Sasaki
2
,
Yoshiro Kiyoshige
3
1山形大学大学院環境医科学専攻リハビリテーション医療学講座
2山形大学医学部附属病院リハビリテーション部
3済生会山形済生会病院整形外科
1Department of Rehabilitation Medicine, Yamagata University Graduate School of Medicine
2Dapartmento of Rehabilitation, Yamagata University Hospital
3Department of Orthopaedic, Saiseikai Yamagata Saiseikai Hospital
キーワード:
深部静脈血栓症
,
肺梗塞
,
大腿骨頸部骨折
Keyword:
深部静脈血栓症
,
肺梗塞
,
大腿骨頸部骨折
pp.927-933
発行日 2004年10月10日
Published Date 2004/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100643
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はじめに
大腿骨頸部骨折患者がリハビリテーションを開始した直後に胸痛を訴え倒れる場合,肺塞栓症(pulmonary embolism;PE)が原因であることは稀ではない.近年,運動器の手術治療では,予防策を講じなければ高率に深部静脈血栓症(deep venous thrombosis;DVT)が発生することは本邦でも広く知られるようになった1-3).PEは外傷・手術・安静を契機に下肢に生じた血栓が,離床やリハビリテーション開始時に肺動脈内に塞栓子として流入し,肺血管床を閉塞することにより生じる.血栓による肺血管床の閉塞の程度により,軽微な症状にとどまるものから,ショック状態に陥り,致命的となるものまでさまざまな臨床像を呈する.
本稿では,高齢者の大腿骨頸部骨折に多いDVT/PEの病態,診断,周術期管理や予防法,リハビリテーション実施上の留意点,発症時の対応について述べる.
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