Japanese
English
特集 褥瘡最前線
発生予防のための除圧・減圧の具体策
Prevention of pressure ulcers in wheelchairs and beds.
廣瀬 秀行
1
Hideyuki Hirose
1
1国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所
1Research Institute, National Rehabilitation Center for Persons with Disabliry
キーワード:
褥瘡
,
予防
,
車いす
,
マットレス
Keyword:
褥瘡
,
予防
,
車いす
,
マットレス
pp.523-528
発行日 2004年6月10日
Published Date 2004/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100592
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はじめに
2002年10月から実施された褥瘡対策未実施減算に対してリハビリテーション側からの対応が求められた.確かにリハビリテーション医療では,廃用性症候群の一つとして褥瘡をあげてはいるが,脊髄損傷以外では褥瘡に関心を持っていないのが現状であろう.例えば,高齢者の寝返りや起き上がりを可能とするためには固めのマットレスが選択される.しかし,就寝時有効な寝返りを行っていなければ,褥瘡のリスクは高くなる.同様に,頸髄損傷者でのトランスファでもマットレスが硬いと移乗は容易だが,褥瘡になりやすい.逆に柔らかいとトランスファが困難になるが,褥瘡になりにくい.褥瘡を予防するためには柔らかなマットレスを選択しなければならず,矛盾が生ずる.
なお,褥瘡の専門家とリハビリテーションの分野では言葉の使い方が異なる.脊髄損傷リハビリテーションでは,「減圧」は接触圧が低下する例えばクッションを指し,「除圧」は時間への対応としてのプッシュ・アップと呼んでいる.しかし,褥瘡の分野では,38mmHg以下になるクッションを「除圧」用具とし,以上を「減圧」用具と呼ぶ1).
ここでは褥瘡への圧力を中心としたクッションやマットレスを「減圧」,プッシュアップや体位交換など時間への対応を「除圧」として説明する.
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