患者の安全と権利面の機能評価

Method to assess the safety and rights of the patient.

はじめに

　わが国の医療施設，とりわけ病院の機能はどうあるべきかが論議されはじめて久しい．日本医療機能評価機構から基本的な方向が示され，病院機能評価事業が始められて5年が過ぎた．しかし，連日のように，新聞，テレビ等で医療事故が報道されている．なぜこんなに医療事故があるのだろうか．医療従事者ならずとも一般市民の人々にとっても不思議な出来事としてとらえられている．医療提供者側の日常的な努力もさることながら，われわれは医療施設全体のあり方そのものを真剣に考えるべきときなのであろう．

　日本医療機能評価機構では，1）病院組織の運営と地域における役割，2）患者の権利と安全の確保，3）療養環境と患者サービス，4）診療の質の確保，5）看護の適切な提供，6）病院運営の合理性の6つの領域に分類し，機能評価事業に取り組んでいる．本稿ではこのうちの「患者の権利と安全の確保」について述べる．