Japanese
English
講座 神経損傷部位と症状・2
大脳皮質梗塞と運動麻痺
Cerebral cortical infarction and motor paresis.
大越 教夫
1
Norio Ohkoshi
1
1筑波技術大学保健科学部保健学科神経内科
1Deparment of Neurology, Faculty of Health Sciences, Tsukuba University of Technology
キーワード:
大脳皮質梗塞
,
precentral knob
,
pure motor monoparesis
,
isolated hand palsy
Keyword:
大脳皮質梗塞
,
precentral knob
,
pure motor monoparesis
,
isolated hand palsy
pp.753-761
発行日 2006年8月10日
Published Date 2006/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100356
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はじめに
大脳皮質梗塞は,皮質に限局する脳梗塞であり,通常の皮質・白質ともに障害するアテローム血栓性脳梗塞や心原性脳塞栓症よりも病変が小さく,皮質に限局するため神経症候が身体の一部に限局することが多い.大脳皮質梗塞の運動麻痺は,上肢あるいは下肢に限局する感覚障害を伴わない運動障害,すなわちpure motor monoparesis(PMM)の形をとることも多く,頻度的には下肢よりも上肢に多い.
一般に,PMMは大脳皮質の中心前回の運動野から錐体路の限局性病変により生じ,局在から大脳表面,大脳深部白質,内包,脳幹部などに分けられる.原因疾患としては,中心前回運動野の皮質・皮質下白質の脳梗塞によることが多く,まれではあるが脳出血,脳腫瘍,脳膿瘍,脳挫傷などの報告もある.ここでは大脳皮質運動野の皮質梗塞に起因したPMMおよびisolated palsy(paresis)を中心に述べる.
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