Japanese
English
講座 神経損傷部位と症状・1
前頭葉症候群
Frontal lobe damage and executive function.
石合 純夫
1
Sumio Ishiai
1
1札幌医科大学医学部リハビリテーション医学
1Department of Rehabilitation, Sapporo Medical University, School of Medicine
キーワード:
前頭葉
,
遂行機能障害
,
注意障害
,
検査
Keyword:
前頭葉
,
遂行機能障害
,
注意障害
,
検査
pp.655-661
発行日 2006年7月10日
Published Date 2006/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100337
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
前頭葉のうち前頭前野の損傷は運動麻痺を伴わず,失語,失行,失認,半側空間無視等のいわゆる巣症状とは異なる高次脳機能障害を引き起こすことが特徴である.そのため,同部位が損傷されやすい頭部外傷例では,行動範囲が限られた入院中には症状が目立ちにくい1).リハビリテーションの一環として,適切な評価を行って問題点を見いだしておき,退院後の適切なケアを行うことが大切である.
本項では,「遂行機能障害」と呼ばれる,多様な目標を見いだして選択し,時々刻々と変化する環境に柔軟に対応し,かつ,目標を失わず,適切に注意力を配分して,目標を達成することを困難とする障害のなかから,代表的なものについて解説する.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.