Japanese
English
研究と報告
地域在住高齢者における杖使用が立位・歩行能力に及ぼす効果
The effect of using a cane on standing balance and gait in the community dwelling elderly.
奥 壽郎
1
,
丸山 仁司
2
,
西島 智子
3
,
小山 理恵子
4
,
畑山 聡
4
,
赤塚 郁奈
5
Toshirou Oku
1
,
Hitoshi Maruyama
2
,
Tomoko Nishijima
3
,
Rieko Koyama
4
,
Satoshi Hatakeyama
4
,
Ikuna Akatsuka
5
1臨床福祉専門学校理学療法学科
2国際医療福祉大学大学院
3あすなろ訪問看護ステーション
4聖テレジア病院
5介護老人保健施設ラ・フォーレ天童
1Clinical Welfare College
2International University of Health and Welfare Graduate School
3Asunaro Visiting Nurse Station
4St Therese Hospital
5Geriatric Health Services Facility, Laforet Tendo
キーワード:
高齢者
,
杖
,
立位歩行能力
Keyword:
高齢者
,
杖
,
立位歩行能力
pp.267-272
発行日 2006年3月10日
Published Date 2006/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100267
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
理学療法(以下,PT)の対象者のなかで高齢者の占める割合は大きい.PTの臨床場面を含めて医療・福祉の現場でも,高齢者に対して杖を処方することはよく経験することである.しかし,高齢者に対する杖の明確な身体機能面の処方基準は確立していないのが現状である.さらに,どういった機能的な効果があるかは明らかにされておらず,杖を指導する際に実際的な効果を高齢者に提示できていないとも思われる.
上内1)は,転倒予防教室のなかで「杖の指導は理学療法士による個別対応を基本としている」と述べており,高齢者に対する杖の処方の重要性,および困難性を指摘している.こうしたことを考えると,高齢者に対して杖を処方する場合に,高齢者にも理解できる具体的かつ簡単な身体機能面の効果についての説明ができることは望ましい要件であると思われる.
今回,高齢者に対して杖を指導する際の適応,高齢者への説明などの参考資料を得る目的で,実生活ですでに屋外歩行で杖を使用している地域在住高齢者を対象に,杖使用が立位・歩行能力に与える影響について検討したので報告する.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.