Japanese
English
特集 認知症のリハビリテーション
リハビリテーション
Rehabilitation for degenerative dementia.
下村 辰雄
1
Tatsuo Shimomura
1
1秋田県立リハビリテーション・精神医療センターリハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Akita Prefectural Center of Rehabilitation and Psychiatric Medicine
キーワード:
アルツハイマー病
,
廃用症候群
,
前頭側頭葉変性症
Keyword:
アルツハイマー病
,
廃用症候群
,
前頭側頭葉変性症
pp.231-237
発行日 2006年3月10日
Published Date 2006/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100262
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はじめに
認知症では,患者ばかりではなく介護者の生活の多くの側面を障害する.認知症に対するリハビリテーションを適切に行うためには,認知症で生ずる機能障害である認知機能障害や行動障害・精神症状・感情障害などのパターンや重症度,これらにより生ずる日常生活活動(ADL)障害をはじめとする能力障害にとどまらず,介護者の負担の程度や社会資源の利用度,さらには患者や介護者の生活の質(QOL)などを併せて評価するべきである1).
2001年の国際生活機能分類2)に基づくならば,認知症のリハビリテーションにおいては,一律に問題行動であると片付けずに,「生活機能」とその障害を適切に評価すること,すなわち,認知機能障害や精神症状などの身体機能障害などの「心身機能」の障害,「活動」の制限や「参加」の制約を適切に評価し,そして,患者の活動や参加の制限を最小限にするために,適切な対処法や介護方法の介護者に対する教育,社会資源の活用などを含めた介入を行うことが望まれる3,4).その際には認知症の原因疾患を常に考慮すべきである.
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