巻頭言
障害者(児)のなかの肢体不自由者(児)
梅津 祐一
1
1久留米大学リハビリテーションセンター
pp.701
発行日 2005年8月10日
Published Date 2005/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100146
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私たちが何気なく使っている「肢体不自由」という言葉の定義づけには,現在に至るまでの間,先達たちの並々ならぬ努力と苦労があった.今後の超高齢化社会に向けて,「肢体不自由」の定義を展望し開拓していくためには,この経緯を理解することが大切だと考える.
歴史上,社会的に肢体不自由者がどのような処遇を受けてきたかは,ほとんど明らかではないが,日本では全国各地の縁日や祭礼において,見世物に供せられていた事実がある.世界的には19世紀に入り,医学の進歩によって肢体不自由者の身体的保護がなされるようになり,20世紀に入ると欧米では多くの肢体不自由児(者)施設が作られた.
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