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短報
末梢神経切断ラットにおける足趾マイスナー小体の変化―非特異的コリンエステラーゼ染色による検討
Changes in rat digital Meissner corpuscles after peripheral nerve transaction.
渡邉 誠
1
,
金村 尚彦
2
,
今北 英高
3
,
森山 英樹
3
Makoto Watanabe
1
,
Naohiko Kanemura
2
,
Hidetaka Imagita
3
,
Hideki Moriyama
3
1北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科
2広島大学医学部保健学科
3広島大学大学院保健学研究科
1Faculty of Rehabilitation, Kitasato University School of Allied Health Sciences
2Department of Health Sciences, Hiroshima University
3Health Sciences Major, Graduate School of Health Sciences, Hiroshima University
キーワード:
機械受容器
,
末梢神経切断
Keyword:
機械受容器
,
末梢神経切断
pp.675-678
発行日 2005年7月10日
Published Date 2005/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100139
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はじめに
末梢神経障害に対するリハビリテーションは,末梢神経損傷後の再生時にmisdirectionの問題が存在するために,知覚再教育としての知覚のリハビリテーションが必要となる.
末梢神経損傷後の知覚再教育は30 cpsと256 cps音叉の振動刺激および動的触覚のある部分が手掌まで回復してきた段階で開始するのが一般的である.Dellon1)は,末梢神経損傷後の知覚回復に関して,痛覚,動的触覚,静的触覚,振動覚の順に回復が認められたと報告している.この初期の回復段階,30 cpsや動的触覚は,皮膚機械受容器の一つであるマイスナー小体によるものとされる.マイスナー小体が初期に回復する理由として,複数の神経線維により神経支配されるため,神経再支配が起こりやすいと考えられている.機械受容器に関しては,立川ら2)は,日本ザルの前肢を用いた両側固有指神経切除後のマイスナー小体の形態的変化について,Navarroら3)は,坐骨神経の挫滅または切断後1~7週でのマウスfoot padへの感覚と神経再生の時間的順序を報告している.知覚障害に対するリハビリテーションの観点から,末梢神経と機械受容器の変性および再生過程の解明が進みつつある.
本研究の目的は,機械受容器の一つであるマイスナー小体に焦点を当て,ラット前肢の神経切断直後からのマイスナー小体の変性過程を形態および組織学的に検討することにある.とくに,このマイスナー小体の層板細胞より産生される非特異的コリンエステラーゼの分布域を調べることで,神経切断によるマイスナー小体の酵素活性領域の経時的変化を検討した.
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