Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「リード・マイ・リップス」―障害者と前科者のサスペンス・ラヴストーリー
二通 諭
1
1千歳市立北進中学校
pp.287
発行日 2005年3月10日
Published Date 2005/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100070
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障害者映画といえば,戦争,差別,社会変革,生きる希望,精神的救済といったものをテーマにしたシリアスものが圧倒的に多く,たまに娯楽性の強いスーパーヒーローものという布陣になるのだが,その中間に障害者サスペンスものというジャンルがある.
クラシックなところではオードリー・ヘップバーンが視覚障害者を演じた「暗くなるまで待って」があるし,ヒッチコックの「裏窓」も状態が近似しているという点でこのジャンルに入れたい.近年では,自閉症の少年が国家権力が放つ刺客に追われる「マーキュリー・ライジング」,話すことができない少女が殺し屋に追われる「小さな目撃者」,動かせるのは首から下では両肩と指一本のみという寝たきり捜査官を主人公にした「ボーン・コレクター」,10分前までの記憶しか保持できないため,人を殺したのかどうかさえもわからない男を主人公にした「メメント」などがある.
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