Japanese
English
特集 排便障害とリハビリテーション
障害に合わせた排便プログラムと生活指導
Bowel care-assessment and management program for individuals with a disability.
西村 かおる
1
Kaoru Nishimura
1
1日本コンチネンス協会
1Japan Continence Action Society
キーワード:
排泄動作
,
排便プログラム
Keyword:
排泄動作
,
排便プログラム
pp.127-133
発行日 2005年2月10日
Published Date 2005/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100041
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はじめに
排便障害は直接,命に関わることは少ないが,問題が生じた時には,肉体的苦痛を感じるだけではなく,精神的,社会的にも著しく障害が起こる.特に便失禁は自尊心が脅かされ,人前に出ることの恐怖につながるなど,社会復帰のうえで大きな問題となる.また,便秘は安易な下剤の使用によって便失禁を起こしたり,ガスの貯留,排便周期の乱れなど,二次的な問題を引き起こしていることも多い.
しかし,排便管理は本人まかせのことが多く,一定の下剤の処方だけで有効な生活指導がなされているとは言い難い現状がある.その背景として,排便は便意を感じてから移動し,衣類の着脱,後始末といった複雑で多岐にわたる排泄動作を保障する必要があるだけではなく,食事の管理,また精神状態,トイレ環境といった生活全てにアセスメントを実施し関わらなくてはいけない煩雑さがその要因の一つとあげられる.逆に言えば,排便にきちんと関わることで,生活全てに関われる利点があるとも言え,社会復帰を目指すリハビリテーションでは早期から排便の自立をめざす計画を立てることが非常に重要である.
本稿では,最終的には専門職ではなく,できるだけ本人や家族が実施できる,生活を主体とした訓練プログラムと指導の内容について述べる.
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