Japanese
English
特集 高齢者の運動療法
介護予防と運動療法
Therapeutic exercise and autonomous prevention.
大渕 修一
1
Shuichi Obuchi
1
1東京都老人総合研究所介護予防緊急対策質
1Department for Prevention of Dependence on Long-Term Care, Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology
キーワード:
老年症候群
,
包括的高齢者運動トレーニング(CGT)
,
介護予防システム
Keyword:
老年症候群
,
包括的高齢者運動トレーニング(CGT)
,
介護予防システム
pp.33-40
発行日 2006年1月10日
Published Date 2006/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100024
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はじめに
介護保険施行から4年が経ち,介護保険は順調に運営され,国民にとって期待の大きい制度に成長した.それを前提にしたうえで今後の高齢化の進展を考慮に入れると,中長期的な制度の改変が必要であることが議論され,これらの結論として,予防を重視した改正介護保険法が2006年4月より施行されることとなった.現状の介護保険サービスを維持しつつ,今後5年,10年をかけて,超高齢社会に対応する新たな予防的な視点をもった介護保険サービスを実現していくということが趣旨である.これについてはさまざまな視点からの議論があるが,軽度の要介護者のサービスを切り捨てるものではないことには,専門家としての見識が必要であろう.ともあれ,この改正の理念的な中心に介護予防があり,また地域でのリハビリテーションの充実がある.
リハビリテーション従事者としては,こうした時代の要請に応じるために,地域におけるかかわり方を足元から見直していく必要があると考えている.とくに対象については,これまでの患者やすでに要介護状態となったものだけにとどまらず,それ以前の虚弱状態にあるものにも拡大することが望まれている.また,介護予防を担うものはさまざま考えられるが,要介護状態をよく知るリハビリテーション従事者が介護予防に積極的にかかわっていくことは,少しでも長く自立した生活を維持することに貢献するだろう.
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