連載 臨床実習サブノート 臨床実習で技術のステップアップをめざそう・第6回
評価⑤ 日常生活活動評価,手段的日常生活活動評価
福原 隆志
1
Takashi FUKUHARA
1
1秋田リハビリテーション学院
pp.1113-1117
発行日 2023年9月15日
Published Date 2023/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203192
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はじめに
日常生活活動(ADL)とは,生活のなかで日常的に行われる一連の活動のことであり,食事,更衣,整容,排泄,入浴といった多くの人が共通して行う活動に加え,食事の用意,自動車の運転,パソコンの操作,というように個別性が大きく表れる活動でもあります.リハビリテーションは関節可動域(range of motion:ROM)や筋力といった項目ごとの改善はもちろんですが,楽に立ち上がる,歩けるようになるというように,しばしばADLの改善を目的として行われます.そのためADL評価は理学療法士にとって非常に重要な評価と言えます.
一方,学生にとってADL評価は「難しい」と感じる評価の一つです.理由として,ADLは複数の動作・要素の組み合わせで成立しており,さまざまな評価結果を統合し考える必要があること,さらに本人の身体機能や能力だけでなく,周囲の環境の影響を大きく受けることも要因の一つと考えられます.本稿では,診療参加型臨床実習を進めるうえで,学生および実習指導者が説明すべき・学生が知っておくべきポイントについて説明します.
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