特集 理学療法の2040年
エッセー 2040年への思い
入院医療から在宅医療・介護分野への変革とその担い手の持続的な確保に向けて
安藤 雅峻
1
Masataka ANDO
1
1北里大学医療衛生学部
pp.427
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203011
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私が理学療法士の国家資格を取得した10年前は,理学療法士の有資格者数が10万人に達し,年間の国家試験合格者数が1万人前後で推移し始めた時期だった.この10年間で有資格者数はさらに倍の20万人となり,厚生労働省の需給推計では,2040年には理学療法士・作業療法士全体として約1.5倍の供給過多になると示されている.
10年前も今も「理学療法士の将来」への不安を拭い切れないのが正直なところだが,一方で将来的な理学療法士・作業療法士の需要数を分野別に見ると,入院医療分野での伸び率に比べ,在宅医療分野や介護分野での伸び率がはるかに大きい.これからの社会的要求に対しわれわれがやるべきことは明確とも言える.理学療法士のボリュームゾーンにあたり,かつ2040年時点でリーダークラスになっているであろう同世代の理学療法士たちが,入院医療分野はもとより在宅医療・介護分野にも,どのような形であれかかわっていくことが求められる.
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