Close-up 取り組もう 末梢性顔面神経麻痺
末梢性顔面神経麻痺に対する実践的理学療法
森嶋 直人
1
Naohito Morishima
1
1豊橋市民病院リハビリテーションセンター
キーワード:
末梢性顔面神経麻痺
,
病的共同運動
,
拘縮
,
ストレッチ
Keyword:
末梢性顔面神経麻痺
,
病的共同運動
,
拘縮
,
ストレッチ
pp.1463-1468
発行日 2022年12月15日
Published Date 2022/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202885
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はじめに
末梢性顔面神経麻痺は一般的に予後良好な疾患だと考えられているものの,予後不良例は後遺症を生じ,遷延性麻痺,病的共同運動,耳鳴り,めまいなど多岐にわたる障害が出現する.このなかで理学療法の目的は麻痺の改善と病的共同運動の予防・軽減であり,特に病的共同運動は患者の訴えとして最も多く認められる徴候である.われわれ1)は345例のFNP症例において,71例(21%)が病的共同運動を生じたとし,予後判定の重要性を報告している.
一般的に末梢性顔面神経麻痺に対する理学療法は,家庭内プログラムを中心に実施される2).理学療法の介入として,角膜保護,表情筋ストレッチ,拮抗運動指導などの家庭内プログラム指導を月1回実施し,後は実践管理をしている.
後遺症改善には長期を要する場合があり,この場合は発症後1年以上を必要とする場合もある.後遺症残存例にはボツリヌス毒素治療や形成外科的治療が選択される.
本稿では顔面神経麻痺に対する理学療法について,発症からの時期に分けて実施内容を紹介する.
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