特集 検査結果・検査報告書をどう読むか―感染症・生理機能検査編
生理機能検査の結果を読む―治療効果の評価
顔面神経麻痺の治療効果を判定する
綾仁 悠介
1
,
仲野 春樹
2
,
萩森 伸一
1
Yusuke Ayani
1
,
Haruki Nakano
2
,
Shin-Ichi Haginomori
1
1大阪医科薬科大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室
2大阪医科薬科大学医学部総合医学講座リハビリテーション医学教室
キーワード:
顔面神経麻痺
,
電気生理学的検査
,
ENoG
,
病的共同運動
Keyword:
顔面神経麻痺
,
電気生理学的検査
,
ENoG
,
病的共同運動
pp.429-432
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000106
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はじめに
Bell麻痺やHunt症候群などの末梢性顔面神経麻痺に対する治療の効果判定,つまり麻痺の改善の評価は,柳原40点法など麻痺スコアを用いることが多い。しかし,麻痺スコアによる評価は主観的であるため,より客観的な評価として電気生理学的検査が用いられる1)。当院では,主に高度麻痺の患者を対象として,発症から1年の間に表面筋電図および瞬目反射を用いた電気生理学的評価を行っている。また,症状が固定した際には,神経伝導検査(electroneurography:ENoG)を再度行い,最終的にどの程度の軸索が再生したのかを確認している。なお,顔面神経麻痺の経過には,随意収縮における回復とともに,病的共同運動をはじめとする後遺症も考慮しなければならない。そこで,本稿では,随意収縮の回復ならびに軸索再生,また病的共同運動に対する電気生理学的評価の概要と有用性について述べる。
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