Japanese
English
症例報告
精神心理学的評価が左腓骨遠位端骨折保存療法後の複合性局所疼痛症候群の遷延する疼痛の訴えに有効であった理学療法の経験
Psychological tests and evaluation was very helpful in conventional physical therapy in complex regional pain syndrome due to the left distal fibular fracture
上山 淳
1
,
佐藤 浩之
1
,
佐藤 文哉
1
,
平野 弘之
1
Atsushi KAMIYAMA
1
,
Hiroyuki SATO
1
,
Fumiya SATO
1
,
Hiroyuki HIRANO
1
1医療法人社団北町整形外科医院
キーワード:
複合性局所疼痛症候群
,
CRPS
,
疼痛遷延
,
心因性素因
,
精神心理的評価
,
理学療法
Keyword:
複合性局所疼痛症候群
,
CRPS
,
疼痛遷延
,
心因性素因
,
精神心理的評価
,
理学療法
pp.973-978
発行日 2022年8月15日
Published Date 2022/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202773
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要旨 【目的】左腓骨遠位端骨折の保存的治療中に複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome:CRPS)を続発し,CRPSで観察される徴候が改善したのにもかかわらず,受傷後半年にわたり疼痛だけが遷延した症例を経験した.疼痛遷延の原因に心因性素因があると考え,精神心理的評価を行い,その結果を踏まえた介入が有効だった.【症例】62歳女性.左腓骨遠位端骨折にCRPSが続発した.【経過】理学療法後も荷重時の疼痛が遷延し,精神心理的評価と精神心理側面に配慮したリハビリテーションアプローチを行った.【考察】CRPSには精神心理的側面や心理社会的側面が関与するといわれている.患者が自分の痛みを客観的に捉えるようにすることが大事である.そのために理学療法評価と精神心理的評価の結果を伝える一方で,医師やセラピストが痛みの改善の保証を与えるように心がけたことが有効だった.
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