Japanese
English
症例報告
重症新型コロナウイルス感染症肺炎の回復期理学療法においてベッド上での下肢エルゴメーターによる運動療法と深吸気練習が有効であった1例
Efficacy of convalescent exercise by lower limb ergometer and deep inspiration breathing in a patient with severe COVID-19 pneumonia
佐々木 順一
1
,
武部 晃平
1
,
徳安 宏和
2
,
木下 香織
3
,
田邊 翔太
4
,
秦 公平
3
Junichi SASAKI
1
,
Kohei TAKEBE
1
,
Hirokazu TOKUYASU
2
,
Kaori KINOSHITA
3
,
Shota TANABE
4
,
Kohei HATA
3
1松江赤十字病院リハビリテーション課
2松江赤十字病院呼吸器内科
3松江赤十字病院リハビリテーション科
4松江赤十字病院救急総合診療科
キーワード:
重症COVID-19
,
ICU-AW
,
ベッド上での下肢エルゴメーター
,
深吸気練習
Keyword:
重症COVID-19
,
ICU-AW
,
ベッド上での下肢エルゴメーター
,
深吸気練習
pp.979-983
発行日 2022年8月15日
Published Date 2022/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202774
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨 【はじめに】重症新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019:COVID-19)肺炎に対し,ベッド上でのエルゴメーター(以下,エルゴ)運動と容量型インセンティブ・スパイロメトリー(incentive spirometry:IS)を用いた深吸気練習を回復期理学療法で行い,職場復帰に至ったので報告する.【症例】糖尿病,肥満のある54歳男性.発熱で発症しポリメラーゼ連鎖反応検査にてCOVID-19と診断された.入院後,急激に呼吸状態が悪化し,長期人工呼吸管理となった.発症から14日目に理学療法開始.発症後67日目に人工呼吸器離脱となったが,intensive care unit-acquired weaknessと後遺症によるめまいのため離床に難渋し,ベッド上でのエルゴ運動を実施.めまいの軽減に伴い,離床が進み発症後107日目に自宅退院となる.退院後も外来理学療法を継続し,容量型ISでの深吸気練習を8週間実施した.【結果】呼吸機能の改善に伴い,身体機能の改善を認め発症後198日で職場復帰に至った.【考察】重症COVID-19肺炎の理学療法において,ベッド上でのエルゴ運動と容量型ISを用いた深吸気練習は有用である可能性が示唆された.
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.