書評
—中山恭秀(編集)—「3日間で行う理学療法臨床評価プランニング 改訂第2版」
網本 和
1
1東京都立大学人間健康科学研究科
pp.561
発行日 2022年5月15日
Published Date 2022/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202670
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理学療法の臨床現場は行列のできるレストラン
評者は20年近く大学病院の臨床現場で勤務しておりました.現在のように時間単位の単位制ではなく,多くの症例を同じ時間帯に担当し,さらに新規に処方された症例の評価を行うという離れ業的な業務をこなしておりました.当時から思っていたことは,このような忙しい臨床現場は人気のあるレストランによく似ている,ということでした.同時にいくつもの料理の注文を受けた場合,どの料理から取り掛かるか,いつ完成させどの器に盛りつけていくかなどの流れを瞬時にイメージしていかなければなりません.料理に取り掛かる前の下ごしらえもまた重要であることは言うまでもありません.振り返れば理学療法の臨床現場も同様で,初回評価から治療プログラムそして退院先の推定など,一連の「流れ」をイメージすることで最適な理学療法サービスを提供できると思います.
中山恭秀先生の編著『3日間で行う理学療法臨床評価プランニング 改訂第2版』はこのような「流れ」に重きを置いた書籍です.中山先生の書かれた初版の序に「臨床における重要な能力」として「評価をどのように組み立てるかというプランニング力」があると指摘されています.この点まったく同感です.前置きが長くなりましたが,そろそろ本題に入りたいと思います.
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