Japanese
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症例報告
X線検査から腰部脊柱管狭窄症が疑われた絞扼性伏在神経障害患者
A case of saphenous nerve entrapment with stenosis of the lumbar spinal canal in X-ray image
窪 浩治
1
,
横井 孝
1
,
田中 誠也
2
,
鈴木 啓介
2
,
高見 修治
1
Koji KUBO
1
,
Takashi YOKOI
1
,
Seiya TANAKA
2
,
Keisuke SUZUKI
2
,
Shuji TAKAMI
1
1医療法人純正会東洋病院リハビリテーション科
2国立研究開発法人国立長寿医療研究センター先端医療開発推進センター
キーワード:
慢性膝痛
,
腰部脊柱管狭窄症
,
絞扼性伏在神経障害
Keyword:
慢性膝痛
,
腰部脊柱管狭窄症
,
絞扼性伏在神経障害
pp.126-131
発行日 2022年1月15日
Published Date 2022/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202561
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要旨 【目的】慢性膝痛の原因としてX線所見から腰部脊柱管狭窄症(lumbar spinal canal stenosis:LCS)が疑われたが,病態に合わせた介入により急速に症状が改善し,絞扼性伏在神経障害の治療的診断に至った症例を経験したので報告する.【対象】対象は約3年前より明らかな誘因なく運動時に右膝関節内側上顆付近に疼痛が出現,徐々に増悪した70歳台後半男性.【経過】間欠性跛行や体幹運動による症状変化がなく,神経支配領域と症状出現部位の不一致からLCSは否定的であった.症状出現部位が伏在神経の支配領域と一致し,内転筋管においてTinel様徴候陽性,内転筋管を構成する筋の柔軟性が低下していることなどから,主治医より絞扼性伏在神経障害の可能性が最も高いと判断された.推察した病態に合わせた理学療法と生活指導により急速に痛みは消失し,主治医より絞扼性伏在神経障害の治療的診断に至った.【結論】痛みの原因となる疾患が複数推測される場合,適切な介入のためには理学所見を含めた各種検査結果の十分な評価による鑑別診断が重要であると考える.
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