連載 臨床実習サブノート 診療参加型臨床実習—「ただ見ているだけ」にならないように!・7
超高齢者
江渕 貴裕
1
Takahiro EBUCHI
1
1東京都健康長寿医療センターリハビリテーション科
pp.1136-1140
発行日 2021年10月15日
Published Date 2021/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202466
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はじめに
平均寿命が84.3歳1)と世界一の長寿国である日本では,当然のことながらリハビリテーションの対象となる方にも多くの高齢者が含まれています.高齢者には表12)に示す特徴があります.それに加えて,健康な状態と要介護状態の中間の状態を意味するフレイルや,加齢により筋肉量が減少し,筋力や身体機能が低下した状態を意味するサルコペニアは,入院・転倒・ADL障害・死亡のリスク増加,QOLの低下などに関与する3,4)とされ,患者さんの全体像を把握するうえでも押さえておきたいポイントです.基本的には「フレイルだから入院しましょう」ということはありません.つまり,肺炎で入院した患者さんも,骨折や脳梗塞で入院した患者さんも,すべての患者さんに対してフレイルやサルコペニアを評価し,予防・改善を行う必要があると言えます.また,対象者のなかにはフレイルではなく,すでに要介護状態の方も多いため,それぞれに合わせた対応が求められます.
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