連載 臨床実習サブノート 運動器疾患の術後評価のポイント—これだけは押さえておこう!・11
多発外傷
山田 耕平
1
Kouhei YAMADA
1
1香川県立白鳥病院リハビリテーション科
pp.203-209
発行日 2021年2月15日
Published Date 2021/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202216
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
多発外傷の原因は,日本外傷データバンク2019(JTDB2014-2018)年次報告1)によると,交通事故(32.3%),転倒(29.7%),墜落・転落(20.9%)の順に多く(図1),損傷部位は多部位に及びます.そのため多発外傷では外傷医が中心となり,整形外科,脳神経外科,消化器外科,麻酔科など多科が連携をとりながら医療チームが形成され,診療が行われています.理学療法士は集中治療室から多発外傷患者の治療にかかわるため,医療チームの治療戦略を理解する必要があります.
多発外傷患者の理学療法の目的は,早期離床により,廃用による筋力低下や術後の合併症を予防し,社会復帰につなげることです.急性期に離床を妨げるさまざまな要因が存在するので,多発外傷患者の術後の評価は骨折だけではなく,全身の状況を把握することが必要になります.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.