Japanese
English
症例報告
成人麻疹脳炎後に急性散在性脳脊髄炎,ギランバレー症候群を合併した症例の理学療法経験
The physical therapy experience of the patient with acute disseminated encephalomyelitis and Guillain-Barré syndrome after adult measles encephalitis
野倉 豊文
1
,
岡田 久
1
,
鈴村 賢一
1
,
深谷 孝紀
1
,
平林 宏之
1
,
加納 裕也
2
,
湯浅 浩之
2
,
稲垣 俊明
3
Toyofumi NOKURA
1
,
Hisashi OKADA
1
,
Kenichi SUZUMURA
1
,
Takanori FUKAYA
1
,
Hiroyuki HIRABAYASHI
1
,
Yuya KANOU
2
,
Hiroyuki YUASA
2
,
Toshiaki INAGAKI
3
1公立陶生病院中央リハビリテーション部
2公立陶生病院脳神経内科
3公立陶生病院リハビリテーション科
キーワード:
麻疹脳炎
,
急性散在性脳脊髄炎
,
ギランバレー症候群
,
意識障害
Keyword:
麻疹脳炎
,
急性散在性脳脊髄炎
,
ギランバレー症候群
,
意識障害
pp.1474-1478
発行日 2020年12月15日
Published Date 2020/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202156
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要旨 30歳台男性,麻疹脳炎と診断され集中治療が行われるなか,理学療法を開始した.さらに急性散在性脳脊髄炎とギランバレー症候群を合併した.人工呼吸器管理,完全四肢麻痺で意識障害が1か月以上遷延するなか,バイタルサインを確認しながら関節可動域練習,端座位練習へと進めた.血漿交換療法の効果もあり,徐々に意識水準と筋力の改善を認め,人工呼吸器を離脱できたが,疼痛が問題となった.離床方法の工夫や,チーム医療での疼痛の軽減を図りながら,筋力改善に合わせて装具,歩行補助具など選定し,歩行練習を行った.入院136日後には独歩見守りまで改善して転院した.
成人麻疹脳炎後に急性散在性脳脊髄炎とギランバレー症候群を合併したという症例の理学療法の報告は,これまでにみられない.最重症時には完全四肢麻痺になったが,疾患の特徴を考慮した理学療法プログラムで歩行可能となるまで改善した.貴重な症例と考え,介入経過を考察を交えて報告する.
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