連載 臨床実習サブノート 運動器疾患の術後評価のポイント—これだけは押さえておこう!・6
変形性膝関節症—骨切り術
片岡 悠介
1
Yusuke KATAOKA
1
1回生病院関節外科センター附属理学療法部
pp.1098-1104
発行日 2020年9月15日
Published Date 2020/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202049
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はじめに
変形性膝関節症(knee osteoarthritis:膝OA)の治療において,まずは保存的治療(非薬物療法と薬物療法の併用1))が推奨されています.しかし,疼痛が増強し,ADLに支障を来してくると,関節鏡視下デブリドマン,膝周囲骨切り術(around the knee osteotomy:AKO),人工膝関節全置換術(total knee arthroplasty:TKA)などの観血的治療が選択されます.AKOのなかでも高位脛骨骨切り術(high tibial osteotomy:HTO)は,器械や技術の進歩により手術が比較的簡便に行われるようになり,術後の臨床成績は良好2)で,疼痛とADLが改善することも報告3〜5)されていることから,その数は年々増加しています.そのため,臨床現場で接する機会も増えてきており,HTOの利点を最大限に活かす術後理学療法を提供しなくてはなりません.よって本稿では,膝OAにおけるHTOについて概説し,術後の着目すべき評価項目や評価ポイント,その意義について解説します.
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