Close-up アジアにおける理学療法—Japan Quality
タイにおける理学療法—Japan Qualityの展開
茂木 啓介
1,2
Keisuke MOGI
1,2
1医療法人石井会石井病院
2ISHII AND PARTNERS(THAILAND)CO., LTD.
2ISHII AND PARTNERS(THAILAND)CO., LTD.
キーワード:
高齢化問題
,
制度と基準
,
量的リハビリテーション
,
アウトバウンド
Keyword:
高齢化問題
,
制度と基準
,
量的リハビリテーション
,
アウトバウンド
pp.561-565
発行日 2020年5月15日
Published Date 2020/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201902
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
高齢化問題
総人口約6943万人のタイは2005年に高齢化社会(人口に占める65歳以上の割合が7〜14%)に突入しており,国際連合によると2022年には高齢社会(同14〜21%)を迎え,2030年には超高齢社会(同21%以上)を迎える見込みである1)(図1).世界保健機関の調査ではタイ人の平均寿命は男性71.8歳,女性が79.3歳とアジア新興国のなかで長く,2030年には男性75歳,女性82歳と延伸すると予測されている2).2002年に施行された「国民医療保障制度:30バーツ医療制度」が低所得者への医療環境の整備に大きく貢献し平均寿命の延伸に寄与している.成熟した欧米社会と比較し,日本は24年という比較的短い期間で高齢社会になったが,タイはそれを上回る速度で高齢化が進展すると予測されている3).しかし,社会保障制度や介護サービスなどは脆弱で,重要な課題として政府は認識しており,保健省を中心として各自治体でも高齢者ケアに対する専門的サービスの開発や地域における公的サービスの普及について検討が進められている.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.