特集 アジアの理学療法
ACPT加盟国の理学療法
3.タイの理学療法
大澤 諭樹彦
1
Osawa Yukihiko
1
1秋田大学医学部保健学科理学療法学専攻
pp.383-386
発行日 2008年5月15日
Published Date 2008/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101169
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タイの医療事情,社会保障の概要
タイの医療事情は,表1に示すとおりである.医療体制は,区(tambon)レベルのプライマリケアユニット(primary care unit:以下,PCU)による一次医療,郡レベルの地域病院による二次医療,県レベルの総合中央病院による三次医療に区分される1).
医療保険制度は,国民皆保険としての特徴を持つ「30バーツ医療制度」注1)が2002年に施行された.しかし,一次・二次医療の公立医療機関への受診が推奨される30バーツ医療制度下では2),理学療法科が設置されている三次医療機関の利用に制約が生じている.加えて,三次医療機関のベッド数不足や地理的に病院へのアクセスが困難などの問題も絡み,多くの地域住民にとって理学療法科の利用は制限されている.
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