特集 今と将来を見据えた小児整形外科理学療法
二分脊椎の治療と理学療法
木村 正剛
1
Masatake Kimura
1
1北海道こども発達研究センター
キーワード:
二分脊椎
,
水頭症
,
視空間認知
,
非言語性学習障害
Keyword:
二分脊椎
,
水頭症
,
視空間認知
,
非言語性学習障害
pp.1079-1084
発行日 2019年11月15日
Published Date 2019/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201714
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はじめに
二分脊椎とは椎弓の癒合閉鎖障害により脊柱管後方の骨性保護が欠如する先天性疾患であり,その病態は水頭症,弛緩性麻痺,知覚障害,膀胱直腸障害と多岐にわたる.二分脊椎のリハビリテーションについては諸家により評価,理学療法,装具療法,手術療法の観点から数多く報告されている.
一方,二分脊椎の多くに合併する水頭症により生じる視空間認知障害や非言語性学習障害については,その病態が明らかとなりつつあるものの,心理や学校教育における問題として捉えられており,理学療法を実施するうえで考慮すべき要因として取り上げられるに至っていない.本稿では二分脊椎の病態と治療について概説し,これまで理学療法と関連づけて語られることの少なかった水頭症により生じる病態とその治療について述べる.
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