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書評 —工藤慎太郎(編著)—「運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略」
鵜飼 建志
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1中部学院大看護リハビリテーション学部理学療法学科
pp.748
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201283
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本書,『運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略』は,工藤慎太郎氏(森ノ宮医療大)が手がける《「なぜ?」がわかる》シリーズの第3弾である.
運動器疾患における痛みや不調の原因は関節の運動機能障害であることが多く,正しく治療するためには正しい評価による原因の特定が不可欠である.運動器疾患の保存療法においては,早期に発症前のレベルまで改善することが十分期待できる.熟練したセラピストは,無意識に必要な知識・技術を選択し,患者を正しく評価・治療することで,患者を元のレベルやそれ以上に改善できる.しかしながら未熟なセラピストは,検査測定の方法論は知っていても,原因解明に至るまでの思考過程を理解していないため,正しい評価が難しい.これらの臨床的思考能力は,経験を積むなかで自ら会得してもらいたいところであるが,それには多くの時間を要してしまう.本書は,そういった問題の改善が期待できる一冊である.
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