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書評 —若林秀隆,荒木暁子,森みさ子(編集)—「—サルコペニアを防ぐ!—看護師によるリハビリテーション栄養」
吉田 剛
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1日本理学療法士学会栄養・嚥下理学療法部門
pp.546
発行日 2018年6月15日
Published Date 2018/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201222
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リハビリテーション栄養についてはすでに多くの出版物がありますが,看護師向けは本書が初めてと聞いて意外に感じられる人も多いでしょう.リハビリテーション栄養という考え方は,本書をまとめた若林秀隆先生から発信され,すでに全国的に定着してきており,2017年には日本リハビリテーション栄養学会が発足しました.その過程で,医原性サルコペニアと呼ぶべき状態が生じていることを認識し,予防するべきであるというメッセージが出されています.
本書は,装丁やフォントがおしゃれで,A5判,244ページながら手にしやすい価格に設定され,専門書というハードルを下げてとても読みやすいものになっています.しかし,その中身は濃く,総論から各論(疾患別リハビリテーション栄養)まで網羅されています.特に半分の紙面を割き,10疾患を挙げ,疾患概要,エビデンス,症例についてまとめている「第3章 疾患別リハビリテーション栄養」は本書の魅力であり,症例は「リハビリテーション栄養アセスメント」「リハビリテーション栄養ケアプラン」「介入後の経過」で構成され,看護の実際,ゴール達成状況などが項目を立てて整理され,リハビリテーション栄養を実践するための臨床思考過程がとてもよくわかる内容になっています.つまり,本書は職種を超えて最新のリハビリテーション栄養を実践するための指南書になるわけです.
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