甃のうへ・第53回
地域づくりをめざして
石田 英恵
1
1宮古・山田訪問リハビリステーションゆずる
pp.1107
発行日 2017年12月15日
Published Date 2017/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201063
- 有料閲覧
- 文献概要
急性期病院で働いていた私にとって,日本理学療法士協会の派遣で活動した東日本大震災のボランティア活動はとても新鮮でした.ボランティアに入る際は地域のコーディネーターから,元々リハビリテーション資源が乏しい地域であること,機能回復運動のような一時的な支援は必要でないことなどを丁寧に説明され,地域の実情に合わせた支援の重要性を学びました.病院に勤務していたころは地域への関心が薄く,患者さんの転院先や入所先を何となくイメージする程度でした.
ボランティアでの経験から地域リハビリテーションを学びたいとの思いが強くなり,現在の職場である訪問リハビリステーションで働くこととなりました.いざ訪問をしてみると,利用者さん自身の問題だけでなく,地域の課題にも多く直面しました.深刻な医師不足,人口減少,高齢化率上昇,老々介護など多くの問題があるなか,地域で活動しているセラピストはあまりに少ないと感じます.「リハビリテーション」と言えば病院でのリハビリテーション,もしくはマッサージや電気を当てることだと思っている住民の方は大勢いらっしゃいます.そのため,リハビリテーションの啓発活動を行い,たとえ地域で活動するセラピストの数が限られていたとしても,地域住民がリハビリテーションマインドを持つことで自立支援が行える地域づくりをめざしました.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.