入門講座 「はじめて」への準備(臨床研究編)・1【新連載】
臨床での疑問を研究の視点で整理しよう
甲田 宗嗣
1
Munetsugu Kota
1
1広島都市学園大学健康科学部リハビリテーション学科
キーワード:
臨床研究
,
リサーチ・クエスチョン
,
研究デザイン
Keyword:
臨床研究
,
リサーチ・クエスチョン
,
研究デザイン
pp.619-625
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200926
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はじめに
いざ臨床研究を行おうとしても,何から手をつけてよいのかわからない読者も多いのではないだろうか.そして,理学療法に関連した患者情報が蓄積されたデータベースをにらみながら「何か学会発表できないか」と思案して,とりあえず統計ソフトで処理してp<0.05の項目を探してみるというようなことはないだろうか.恥ずかしながら筆者はこのような経験が幾度となくある.
研究デザインや統計処理の考え方は日進月歩であるが,ここ数年で,臨床研究に関する成書や論文が増え,優れた臨床研究デザインをつくるためのコツに触れる機会が増えた印象がある.そこで本稿では,自戒の念を込め,理学療法の日常診療でみられるような疑問を例示しながら,漠然としたクリニカル・クエスチョンを明確なリサーチ・クエスチョンに整理する過程を解説する.
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