とびら
今,生きていること
渡邊 潤子
1
1国立病院機構名古屋医療センターリハビリテーション科
pp.1073
発行日 2016年12月15日
Published Date 2016/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200727
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2016年は日本での8年ぶりの先進国首脳会議(サミット)が伊勢志摩で開催され,オバマ米国大統領の広島訪問と献花という大きな出来事がありました.終戦から71年,日本は焼け野原で物のない時代から現在の姿に復興しました.これは昭和の時代を駈け抜けた今の高齢者の方々の尽力のたまものです.本誌は発刊から50年を経て,「リハビリテーション」という言葉は市民権を得て定着してきたように思われます.そして,少子高齢化に伴い,2017年度から市町村主体での新総合事業が本格始動されます.日本を支えてきた高齢者の方々がサービス提供によりさらによい時を過ごせることが望まれます.
私が母校で学んだ1980年代は理学療法士もまだまだ少なく,全米リハビリテーション評議会が掲げた「リハビリテーションとは,障害を受けた者を彼のなしうる最大の身体的,精神的,社会的,職業的,経済的な有用性を有するまでに回復させることである」(1942年)という定義が新鮮に感じられる時代でした.恩師の故小島泉先生はわが国初の養成校である国立療養所東京病院附属リハビリテーション学院に入学されたとき,理学療法とはロボットを作る仕事だと思っていたとお話しくださいました.
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