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症例報告
透析関連低血圧に対する運動療法の可能性—症例報告
Possibility of exercise training on dialysis-related hypotension:A Case Report
垣内 優芳
1
,
森 明子
2
,
井上 達朗
1
,
秋永 美津江
3
Masayoshi Kakiuchi
1
1神戸市立西神戸医療センターリハビリテーション技術部
2兵庫医療大学リハビリテーション学部
3神戸市立西神戸医療センター看護部
キーワード:
糖尿病
,
透析関連低血圧
,
自律神経障害
,
運動療法
Keyword:
糖尿病
,
透析関連低血圧
,
自律神経障害
,
運動療法
pp.473-477
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201204
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要旨 透析関連低血圧に対する運動療法の報告は少ない.今回,透析関連低血圧を有する糖尿病透析患者に対して,透析開始前の運動療法を経験した.症例は60歳台男性である.透析中の血圧低下や透析終了後の起立性低血圧を認め,高血糖,肥満傾向であり,合併症予防のために筋力強化運動や有酸素運動を開始した.開始後,透析中の血圧低下は改善傾向であり,3か月後からは徐々にグリコアルブミンが改善した.しかし,運動後には口渇感により飲水量が増加していた.5か月後には筋力や骨格筋量,耐久性も改善した.振動覚は開始時から徐々に低下傾向であったが,5か月後には神経障害の進展が抑制された.血糖コントロールによる末梢神経障害の進展抑制と同時に自立神経障害改善の影響が考えられた.糖尿病透析患者に対する運動療法は,透析関連低血圧を改善する可能性があり,透析前に運動療法を実施する際は,運動後の口渇感による飲水量増加に注意する必要が示唆された.
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