甃のうへ・第41回
人は財産
渡邊 亜紀
1
1社会医療法人敬和会大分東部病院
pp.957
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200691
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高校生の頃より理学療法士をめざし,念願かなってこの職に就いて16年が経とうとしている.理学療法士をめざしたきっかけは,自分が働くことで人から「ありがとう」と言われるような仕事に就きたいと思ったからである.しかし,「人に何かしてあげよう」「感謝されるような仕事をしよう」といった考えは間違っていたような気がしている.
私は理学療法士になってからずっと回復期リハビリテーション病棟に携わっている.多くは脳血管障害の患者さんを担当し,入職した当時は1病棟60床を3,4人の理学療法士で担当するという,今では考えられない人員で働いていた.現在のような教育システムはなく,入職1か月後には患者さんを受け持ち,練習中に患者さんを転倒させ,患者さんに満足いく練習が行えず,先輩療法士への担当変更を余儀なくされるといったことを経験した.なぜうまくいかないのかと悩み,自分の経験不足,未熟さが要因であろうと自分なりに納得したことを思い出す.
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