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特集 整形外科臨床研究の手引き――適切に行い,正しく読み解くために
Ⅴ.医薬品/医療機器の開発
4.知的財産マネジメント
Intellectual property management
早乙女 周子
1
C. Saotome
1
1京都大学大学院医学研究科知的財産経営学分野/創薬医学講座
1Dept. of Management of Technology and Intellectual Property, Department of Drug Discovery Medicine, Kyoto University Graduate School of Medicine, Kyoto
キーワード:
intellectual property
,
patent
Keyword:
intellectual property
,
patent
pp.668-673
発行日 2020年5月30日
Published Date 2020/5/30
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_668
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は じ め に
医学研究の成果を患者に新規医療として届けることは,医学研究者のミッションの一つである.しかし,大学だけで医薬品などの製品化を行うことは不可能であり,企業との連携が必要になる.一方,企業は,医薬品・医療機器の開発に臨床試験を含めた多額の費用を要するため,その投資に見合う利益が見込まれなければ,開発を行わない.実際,アレクサンダー・フレミングが発見したペニシリンは,知的財産として保護していなかったために企業の協力が得られず,実用化が遅れた事例として知られている1).よって,研究成果をより広くそしてできるだけはやく世の中に普及させるためには,アカデミアの研究者も知的財産の知識が必要である.
本項では,特許権を中心に知的財産マネジメントの概要について述べる.なお,知的財産権制度に関する資料として,初心者にもわかりやすい「知的財産制度入門」2)ほか,特許庁のホームページ3,4)に教材などが掲載されている.
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