特集 重症下肢虚血と理学療法
重症下肢虚血患者に対する日常生活指導の実際
山端 志保
1
Shiho Yamabata
1
1京都府立医科大学附属病院リハビリテーション部
キーワード:
重症下肢虚血
,
再発予防
,
疾患管理指導
Keyword:
重症下肢虚血
,
再発予防
,
疾患管理指導
pp.847-853
発行日 2016年9月15日
Published Date 2016/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200659
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はじめに
近年,末梢動脈疾患(peripheral arterial disease:PAD)の疾病構造は大きく変化し,バージャー病が減少する一方で,高齢化,食生活の欧米化などにより,糖尿病や慢性腎不全(維持透析)を有する患者が増え,その結果,閉塞性動脈硬化症が増加している.PADから重症下肢虚血(critical limb ischemia:CLI)に至る症例は決して多くないといわれているが,その絶対数は年々増えており,現行の治療法に抵抗性のCLIも多く,「再発・増悪」,「切断・再切断」,「心血管死」の割合が高い.
CLIの予後は極めて不良であり,救肢と生命予後改善のためには,禁煙,内服遵守,食事療法,運動療法などによる下肢循環を悪化させるリスクファクターの是正が欠かせない.本稿では,CLI患者に対する日常生活指導の実際について解説する.
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