新人理学療法士へのメッセージ
諦めの悪い教育者に
奥埜 博之
1
1摂南総合病院リハビリテーション科
pp.330-331
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200179
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新人理学療法士の皆さん,国家試験合格本当におめでとうございます.ようやくスタートラインに立てた喜びと期待,少しの不安を抱えながらも高揚した気持ちで現場に立った日のことを,私も昨日のことのように思い出します.
月並みな表現ですが,私は理学療法士になって約14年,本当にあっという間だったという印象です.その間,苦しいことや悔しくて歯を食いしばったことがたくさんありました.もちろん,患者さんと回復した喜びを分かち合うなど嬉しいこともたくさんありました.しかし,臨床現場ではもっと回復したいという患者さんのニーズに的確に応えることができないことも多く,圧倒的に悔しいことのほうが多いというのが私の主観的な経験です.たまに「臨床は毎日が楽しいよ!」というようなことも耳にしますが,個人的にはあまり共感できません.日々の臨床現場では人一倍明るく笑顔で仕事をしていますが,振り返ればもっとこうすればよかったと後悔することのほうが多くあります.プロとして真摯に仕事に向き合うということは,そのような苦悩と向き合う道を選ぶということだと思います.
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