とびら
今,理学療法士の今後を考えて
並河 茂
1
1京都地域医療学際研究所附属病院
pp.763
発行日 2013年9月15日
Published Date 2013/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106396
- 有料閲覧
- 文献概要
理学療法士になり,37年が過ぎました.今日まで臨床ひと筋できました.
昨年定年退職で36年間勤務した病院を去り,新たな病院に再就職しました.改めて組織でのわれわれの仕事の在り方をみて考えたことがあります.ある病院のリハビリテーション科は,スタッフが10名以上いるのに,科のトップが辞めて,トップ不在が1年以上となっていました.ここで問題なのは,今や社会は組織の時代だと言われていて,われわれのように専門知識をもつ知的労働者は,ともすれば個人プレーに走りがちになりますが,他の知的労働者のもつ知識と取り合わせてチームで動いたほうが効率が良いのでチーム医療があるのに,このことがわかっていないということでした.「組織に寄りかからない個」が確立された人物は仕事ができるとも言われていますが,まずは組織がなければビジョンも出てきませんし,人も育たないのです.トップがいないから部下が育ちません.若いスタッフが多いから,組織がわかっていない状況でもありました.場当たり的に行動しても何もみえてきません.効率よく仕事をするにはテーマが必要なのに,仕事をこなすことで終わっていました.この状況を打破するには,リーダーの存在とビジョンをもった組織運営が不可欠ではないかと考えますが,皆さんの職場はいかがですか.リーダーは部下を育てようとしていますか.今一度見直してください.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.