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編集後記
鶴見 隆正
pp.762
発行日 2013年8月15日
Published Date 2013/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106392
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2013年8月号の特集は「物理療法の再興」です.
近年,物理療法に関する臨床活動が,運動療法や地域理学療法などと比べて停滞傾向に陥っているのではないかと危惧されています.その背景には,理学療法士の関心が,物理療法よりも各種の徒手療法や中枢神経系などの運動療法により高い価値観やエビデンスを求める傾向が影響していると考えられます.それ故に「電気をかける,温める」といった安寧的な物理刺激に終始し,物理療法を「療法」として位置づけた理学療法の取り組みが少なくなっているのではないでしょうか.このような状態が続けば,これまで先人たちが築き上げてきた物理療法の領域を理学療法士自ら手放すことになるのでは,という危機感があります.そこで本号では,物理療法の現状と課題を明らかにして,物理療法を再興するための方略を示すことに焦点をあてました.
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