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編集後記
鶴見 隆正
pp.910
発行日 2008年10月15日
Published Date 2008/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101284
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編集後記を書いている今日,史上最多の145の国・地域の参加を得た障害者スポーツの祭典「第13回北京パラリンピック」の開会式が盛大に挙行されています.明日からはじまる競技報道に多くの方が注目することでしょうが,私自身も今大会には特段の思い入れがあります.というのも,15年前に交通事故で脊髄損傷となり,急性期理学療法から高校への復学交渉,その後の就労支援にも関わった方から手紙をいただいたからです.そのなかには,車いすバスケットの選手に選抜され,その壮行会での自信に満ちた笑顔の新聞記事と共に,受傷後悩み迷っていた頃に支え励ましてくれたおかげで,このような機会を得ることができたという旨のことが記されていました.理学療法士は人の人生にも大きく関わる職業だと実感し,それだけに患者本位の理学療法を日々実践することの大切さを再認識した次第です.
わが国における障害者スポーツへの関心の高まりは,義足や用具の開発,進歩を促し,アスリートとしての活躍の場を確保しつつありますが,真の意味でのスポーツとなるためには,組織的,財政的な支援の確保とノーマライゼーションのさらなる浸透が必要だと思います.
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