特集 頸肩腕障害と理学療法
複合性局所疼痛症候群(CRPS Type 1)と理学療法
植田 一幸
1
Kazuyuki Ueda
1
1広島大学病院診療支援部リハビリテーション部門
pp.602-608
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106344
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はじめに
複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome:CRPS)とは,かつて反射性交感神経性ジストロフィー(reflex sympathetic dystrophy:RSD),あるいはカウザルギーと呼ばれてきた疼痛症候群で,骨折や神経損傷などの外傷,手術,または脳血管疾患後に引き続いて発症し,原因に見合わない激しい痛みや痛覚過敏などの感覚異常や,皮膚温や発汗の異常などの自律神経系障害,浮腫,関節拘縮,筋力低下や骨萎縮などの運動機能障害を伴う難治性の疾患である.CRPSの治療には早期診断と早期治療が特に重要であるが,臨床で治療にあたる理学療法士として難渋するケースが多い.
本稿ではCRPS全般について,評価および総合的な治療と理学療法の具体的な進め方について,症例を提示しながら解説する.
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